腰痛改善や予防にピラティスはいいか?正しい活用法をインストラクターが解説

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現代人の多くは腰痛(背部痛)を経験していると言われています。また、長年腰痛を患っていて、なかなかよくならない人も多いようです。

ここでは、腰痛予防としてピラティスが効果があるか、インストラクターが解説します。

腰痛改善や予防にピラティスは効果があるか?

ピラティスで腰痛の予防、改善を期待できるか、というと答えはYESです。

「リハビリから生まれたピラティスはなんとなく腰痛に効きそう」と漠然としたイメージを持っている方も多くいると思います。

ピラティスにおける腰痛へのアプローチについて、なぜ効果的なのか、詳しく解説していきたいと思います。

そもそも腰痛の原因は?

腰痛の対応は以下に大別できます。

ヘルニア

キーワード:椎間板ヘルニア、神経、腰椎

背骨はひとつひとつ積み木のよう椎間板ヘルニアは積み上がっていて、その間で椎間板はクッションの役割を果たしています。

腰椎の椎間板ヘルニアは、椎間板が後方に突出し、神経を圧迫することで腰痛などの症状を引き起こします。

数ヶ月で自然に小さくなり、あるいは神経に当たらなくなる、炎症が収まることで症状が軽くなることが多いです。

神経痛

キーワード:神経障害性疼痛、しびれ、帯状疱疹

神経系の障害や機能異常なぢによって起きる神経障害性疼痛の中には、腰部に痛みやしびれを感じるパターンもあります。

帯状疱疹にかかった後や糖尿病などに伴って起きやすく、脊柱狭窄症やによって発生することや、理的な要因が重なることもあるようです。

慢性腰痛

キーワード:長年悩んでいる、通勤、スマホ

ヘルニアやすべり症のような症状名がなくとも腰痛に長年悩んでいる方も多くいると言われています。

通勤途中の電車の中で、みなさんどんな姿勢でいるのか思い出してみてください。ドアの近く、端っこにもたれかかるように立っていませんか?そんな時はどんな姿勢になっているでしょうか。

お腹が前に出て、スマホを見るために頭も前に出ていませんか?

この姿勢では、お腹に力がはいりませんよね。腹横筋の筋力低下は、代表的な腰痛の原因として挙げられます。

また、長時間立っているのが嫌だからと席が空いたら座ろうと考えていませんか?

デクスワークの多い現代、ずっと座っていることでお尻の奥にある梨状筋が硬くなりやすくなります。梨状筋の緊張過度は腰痛の原因に繋がります。

女性の方で、バレリーナのような美しい姿勢になろうとして腰を反らせすぎている方はいませんか?姿勢を意識することは素晴らしいことですが、反り腰は腰痛になりやすい姿勢です。

姿勢不良、そしてその姿勢に関係する筋肉の低下や緊張過度は慢性的な腰痛の起因になります。

ピラティスによって改善できる腰痛タイプは?

筋力不足、姿勢不良による腰痛

インナーマッスルは姿勢保持のための筋肉で、低下すると腰痛などを引き起こす原因になります。ピラティスではインナーマッスルを鍛えていくことができるので、有効的です。

また、インナーマッスルを動員するためには、正しい身体のポジションが大切になっていくので、おのずと姿勢の状態にも意識を向けていくことになります。

左右のバランスもなるべく均等になるように動いていくので、姿勢の改善も期待できます。

ヘルニア、すべり症、脊柱管狭搾症などのピラティスの効果

ヘルニアを例にあげると、治療としては痛みや炎症を抑える薬の服用や、ブロック注射が一般的です。痛みが強い場合や保存的治療で症状が改善しない場合には手術をすることも治療の選択肢にはいってきます。ヘルニアやすべり症の診断はMRI検査などにより医療機関で行います。

ピラティスインストラクターはもちろんヘルニアの診断や治療は行えません。

では、ピラティスを行うことはヘルニアやすべり症に効果ないのかというと、そうではなく、腰椎への負担を軽減させることを期待できます。具体的には、身体に余計な負担を与えずにトレーニングを行い、脊柱を支える筋力低下を改善、筋肉の過緊張を和らげることで腰椎への負担を軽減させられる可能性があります。
痛みが激しい場合などはかかりつけの医師に相談してから受講してください。

ピラティスエクササイズを行う際の注意点

症状のレベルによりますが、禁忌運動があるので簡単に例を挙げます。

※ただし、腰痛症状のある方は医療機関などを受診してください。

ヘルニア・・・前で大きく屈曲する動き、体重のかかるもの(ローリングエクササイズなど)は行わない。

すべり症・・・大きな伸展は避ける。

脊柱管狭搾症・・・症状は個々人によるが、伸展時に痛みが出ることは多い。痛みのある動きは避ける。

グループレッスンであれば禁忌運動を含むエクササイズをクラスの中で行うこともありますので、プライベートレッスンの受講をおすすめします。

痛みが軽度の場合、慣れている方がグループレッスンを受講する場合は、あらかじめインストラクターに伝えておきましょう。クラス中に禁忌の動きを含むエクササイズを行うこともありますので、その場合の対処方法を相談してからクラスを受講するように意識してください。

正しいピラティス活用法・腰痛対処法は?

ピラティスではただ形(フォーム)を行うことをゴールにするのではなく、あくまでもエクササイズは手段です。

大切なのはエクササイズを行うプロセス、つまりどのように身体を扱いコントロールするか、ということです。

脊柱の生理的湾曲を取り戻す

●脊柱のエロンゲーション

脊柱のアライメントが崩れているというと分かりづらいと思いますが、積み木のような背骨がぐにゃっと崩れているところをイメージしてみてください。

この背骨を上下に引き延ばすことでぐにゃっとなっている背骨を整えていく働きが生まれます。

ピラティスを経験したことのある方は「背骨を長く」「身長を高く」というような言葉での指導に心当たりがあると思います。これは、このエロンゲーションを行うためです。

無理に筋肉動員も行われないので、過剰にアウターマッスルが増強されてしまうことも予防できます。

◇エロンゲーションを意識する方法

立っている状態では、常に上から重力がかかっている状態です。背骨は上からの圧力にどんどん押しつぶされているようなイメージです。

①下半身は根っこのように地面にしっかりと立っている感覚を持ってください。

②ひまわりが太陽に向かって伸びていくように、頭が空に向かってどんどん伸び上がっていくように長く背骨を伸ばしていきます。

◇point

  • 上にばかり伸びていくのではなく、上下で引き合うような感覚を意識してください。
  • 背骨を伸ばすときに、ストレートにするのではなく、押しつぶされている背骨1つ1つの間にスペースが広がっていくようにイメージして、脊柱のS字は保っておきます。
  • 顎があがりやすいので軽くひいておきましょう。

●脊柱の流動性=身体の年齢

姿勢不良の場合、脊柱の動きが悪くなっていることが多いです。

例えば反り腰の場合は、腰椎部分をカーブさせる動きが苦手ではありませんか?猫背の場合は胸椎部分を反らせる動きが苦手ではありませんか?

背骨のどこかの部分にロックがかかってしなやかに動かせない状態だとイメージしてみてください。

積み木のような背骨を1骨1骨(椎体)動かす流動性を得ていくことで、腰椎部分への過剰なストレスを減らしていくことを目指しましょう。

赤ちゃんや小さい子どもが泣くときに、思い切り背中を反らしているところを見たことはありませんか?

先天的な骨格の問題がなければ赤ちゃんの背骨はとてもしなやかに動き、腰痛のないストレスフリーの状態です。

ストレスなく動ける健康的で強い背骨の身体は、身体が若いということがイメージできると思います。

◇ペルビックカール

セットポジション

ペルビックカール、セットポジッション

仰向けに寝て、両膝を立てます。このときに足幅、膝の幅は坐骨(座ったときに床にごりごりと当たる骨)の幅になるようにしてください。足先は平行(人差し指、踵、膝がまっすぐ前)にセットします。

ASIS(腰骨の一番出っ張った部分)とPSIS(恥骨)が平行になるようにセットすると、腰が床に押し付けられずに少し浮いている状態になります。

胸椎(肩甲骨の間あたり)がマットに沈んでいて、首は浮いている状態になっていますか?

頭はマットにおろし、顎があがりやすい方は下にタオルを敷いて調整すると良いでしょう。

骨盤と背骨をこのニュートラルのポジションにセットすることが大切です。

肩はリラックスして力を抜いておきましょう。

①息を吸う

②息を吐く

・下腹部の力で骨盤を後傾する

おへそのスプーンでえぐるように、下腹部を薄く、そして力がはいっているのを確認します。

そこからしっぽ(尾骨)を顔の方にまくように骨盤を引き込むことで、恥骨が顔の方に傾き、腰椎は床に沈んでいきます。(骨盤の後傾)

骨盤の後傾

・背骨をひとつずつめくり上げていく

背骨を床からはがす

自然にお尻が床から離れそうになるところまで後傾を深めていき、そのままお尻を浮かせ、腰椎、胸椎もマットから浮かせて、膝から頭まで斜め一直線になります。

頭から膝まで一直線になる

①息を吸う

②息を吐く上の背骨からひとつずつマットにおろして、ニュートラルポジションに戻ります。

⭐︎point

  • 勢いで身体を浮かせるのではなく、しっぽを巻き続けることで1骨ずつめくりあげるとイメージしましょう。
  • 無理やり高くあげようとすると腰が反ってしまうので、常にお腹に力を入れて恥骨を顔を方に傾けつづけます。

脊柱の生理的湾曲を保つ

姿勢保持のための筋肉、コアを呼ばれるもののうち代表的な2つの筋肉を紹介します。

●腹横筋

“腰痛には腹筋を鍛えるといい”と聞いたことはありませんか?じゃあシックスパックを割ろう!と腹筋100回行うことを目標にする・・・

このようにただ筋力トレーニングも回数こなしても改善は見込めません。
シックスパック=腹直筋は腹筋の一番外側についていて、体幹部を屈曲させる働きを担っています。

つまり姿勢を安定させるための筋肉ではなく、大きく動かすための筋肉です。

安定筋が動員されていないまま腹直筋だけが強化されると、腰部の筋力の機能低下に繋がっていくのです。

筋肉の働きがアンバランスになるので、腰痛の改善に効果的だとは言い難いですね。

腰痛には腹筋、の腹筋とは腹横筋のことです。深層にある腹筋で、コルセットのようについていることからインナーコルセットとも呼ばれています。きついジーンズのボタンを閉める時に、お腹をぐっと凹ます時のことを思い出してください。この時に働いているのが腹横筋です。

この腹横筋が使われている状態で腹直筋などのアウターマッスルが動員されることが大切なのです。

◇腹式呼吸で腹横筋を活性化

①セットポジション

ペルビックカールと同じく、骨盤と背骨をニュートラルの状態にします。

②息を吸う

おへそが天井に近づいていくようにたっぷりを息を吸ってお腹を膨らませます。

おへそを天井に近づけるように息を吸う

③息を吐く

吐きながらおへそを背骨の方に引き寄せて下腹部を薄くしていきましょう。

腰のアーチを潰さず、息を吐きながらおへそを引き寄せる

⭐︎point

③でおへそを引き寄せる時に、腰椎がマットにつかないように(腰が丸まらないように)ニュートラルのポジションをキープしつづけてください。
腰部にコルセットをしっかりと背骨にまくようにイメージしながら呼吸をつづけましょう。

●多裂筋

積み木のように積まれている椎体を繋いでいるのが多裂筋です。特に仙骨から腰椎の多裂筋は脊柱を支えるために協力で重要な筋になります。

筋力低下や機能低下により働きが弱くなると、背骨の安定は弱まり姿勢保持に影響が出てきます。

また多裂筋と腹横筋肉は連動しているため、一方に問題があると影響を受けて機能低下に繋がってしまいます。

◇多裂筋と腹横筋を連動して活性化させる

セットポジション

四つ這いの姿勢になります。この時、脇の真下に手首、股関節の真下に膝がくるようにしてください。肘が過伸展にならないように、肘は後ろではなく横を向くように注意しましょう。

この状態で骨盤、背骨をニュートラルポジションにして腹横筋を働かせましょう。

①右足を後ろに伸ばし、左右のお尻の高さが変わらないように床から浮かせましょう。つま先がお尻を同じ高さになることを目指します。(お尻より高くあがらないように注意!)

②そのままキープします。反対の足も同じように行いましょう。
チャレンジ!

チャレンジ!

バランスが取れそうであれば、あげている足と反対の手を床から離して前に伸ばします。このとき、左右の肩の高さが変わらないこと、伸ばしている方の肩が耳の方に近づかないように意識しましょう。

⭐︎point

脊柱が身体のセンターからずれないように手足を離してください。
腰が反っていかないようにおへそをひきあげつづけましょう。
胸椎が反ると首や肩に負担がかかります。その場合は手のひらの小指側を少し強く床を押すようにして、肩甲骨の間を天井に近づけるとイメージしましょう。

なぜピラティスで腰痛改善できるか?

全身を整えていく

腰痛の代表的な原因として脊柱を支える安定筋の筋力低下が挙げられます。

骨格の構造として、背骨がS字カーブ(生理的湾曲)になっていることで、上からの重力に抵抗して身体を伸ばし、衝撃などを吸収することができます。

脊柱を支える筋力が低下することで、重力によって生理的湾曲が維持できなくなり腰椎に負荷がかかることで腰痛につながっていきます。

つまりピラティスでは脊柱の生理的湾曲を取り戻し、それを支えるコアの筋肉を活性化していけることが腰痛改善に効果的な理由の1つです。

ですが痛みなどの症状が出ている部分だけにアプローチしても改善しないこともあるでしょう。

筋肉は筋膜に覆われていて、身体はひとつに繋がっています。

例えば、足裏のアライメントが崩れていたとします。筋力がアンバランスになるため膝のアライメントに影響が出て、そこから筋肉が繋がっている、骨盤、腰椎へと影響が及んでいくのです。

ピラティスでは1時間のクラスの中で全身の筋肉、姿勢にアプローチしていきます。

どこかの筋肉が硬いあるいは筋力が弱い、動きが悪いということは、一点に負荷がかかり代償運動が生じて、筋肉が本来とは違う働き方をします。

そこから腰痛などを引き起こす原因となっていくのです。

腰痛の原因である筋肉の状態について細分化すると・・・
● 腹筋の筋力低下
● 回旋筋の不活性化
● 臀筋の筋力低下
● 梨状筋の緊張過度
● 多裂筋の不活性化
● 背筋の緊張過度
● 股関節屈筋(腸腰筋)の凝り

ざっとこれだけの筋肉に対する評価、アプローチの必要が考えられます。

もちろん痛みのある部分をマッサージすることは、筋肉の過緊張をほぐし、気持ちもリラックスできるでしょう。

ですがストレスが一点にかかりすぎず、全身満遍なく動く身体を目指すこと、全身をケアしていくが問題点の解決へ繋がっていくため、ピラティスのエクササイズは腰痛に有効であると考えています。

ピラティス以外の運動、エクササイズは腰痛にアプローチできないのか?

答えは、いいえ、です。

ピラティスは腰痛に有効だというエビデンスがありますが、=ピラティス“だけ”が有効なわけではありません。

猫背の人と、反り腰の人の腰痛ではアプローチ方法も変わってきます。個々人に必要なエクササイズ、方法を選択できるということがとても大切になるのです。

ヨガ、ロルフィング、加圧トレーニング、パーソナルトレーニング、ジムなど様々なエクササイズがありますが、大切なのは“安全”に“正しい筋肉動員”で“質の良い動き”ができているかどうか、です。

そのことを認識して指導できるインストラクターのクラスであれば、エクササイズは違えど目指すものは同じ、質の良い呼吸を行える機能的で理想的な姿勢です。

ということは腰痛改善に効果が期待できると言えるでしょう。

実は身体の悩みがきっかけでピラティスを始めた人の悩み1位が腰痛

身体の悩みを解消したくてピラティスを始めた人に、具体的にどんな悩みがあるのかというと、腰痛という方がとても多いです。次に猫背、姿勢改善です。ダイエットが目的の方は意外に少ないのです。

腰痛改善のためにピラティスを始めた人の身体の特徴と私生活の様子から見える共通点を以下に挙げます。

  • 私生活でほとんど運動をしていない人が多い
  • 仕事では、デスクワーク中心
  • 身体の特徴としては骨盤後傾
  • ハムストリングスが硬い
  • 肩関節が内旋気味

普段、身体を動かすことがない方は、体力にも自信がない方が多いです。また、運動嫌いな方にとっては、ジムで激しい運動をするのは、どうせ自分には続かないだろうと思っている人が多いです。

でも、身体の不調は改善したい。そこで、ピラティスは良いのでは?と知り合いやネットで知って、一縷の望みを持ってピラティス教室にいらっしゃる方が多いように思います。

筆者が、とあるピラティススタジオを担当した1年前にピラティスを始めた参加者は、当初は腰痛の悩みがありそれを改善したくて通っていましたが、今ではすっかり腰痛は良くなり、身体に自信を持たれてから、表情が明るくなりました。

身体が変わると心も変わる。ピラティスインストラクターはそんな人の変化もときに目にすることがあります。

それはともかく、国民病とも言われるほど、腰痛を抱えている人が多い理由の1つがライフスタイルの変化でしょう。

長時間座ったままの姿勢でいると、梨状筋(お尻の筋肉)が硬くなり腰痛へと繋がっていきます。また、猫背の状態でデスクワークをしていると骨盤が後傾して腰椎がまるくなっていませんか?お腹の力が抜けきっている状態です。そうすると腹筋が弱くなり、腰椎のサポートができなくなります。また、腹筋が抜けて腰椎が丸くなることで、背部の筋肉が引っ張られて緊張してしまいます。

デスクワークは、身体を動かす時間が減ることで筋力が低下し、姿勢不良を引き起こしやすいのです。

スポーツをしていても慢性的な腰痛を抱えている人も多いと思います。身体を動かしているのになぜ?と思いますよね。

野球であればバットを振る方向は利き手できまっていますし、バレエでは大きな可動域を必要とします。

スポーツなどでは身体に負荷を強いる動きを行うことが多いため、それだけ身体にとって負担がかかっているのです。

身体にかかる負荷をなるべく軽減させるために、そしてバランスを整えるために必要なトレーニングができていないまま続けていったらどうでしょう。

プロにならずとも、趣味として行っていても、そのアンバランスな使い方のまま生活を続けていたら、身体にはストレスが生じて腰痛などを引き起こすことに繋がっていく可能性があるのです。

ピラティスのワークは考案された時から今に至るまで、運動生理学などが解明されていくことに基づいて進化を続けています。

そして元々考案されたワークよりも強度を落としたエクササイズが生み出されたのですが、その理由として、ピラティス氏の時代と現代の人の筋肉量の変化があげられます。元々のエクササイズをそのままに行うことは、現代人の多くにとっては筋力が足りない、あるいは正しくコントロールできないと考えられたからです。

つまりそれだけ筋力が低下し、身体意識も下がっていると言えるのでしょう。ということは、現代は腰痛を引き起こしやすいライフスタイルになってしまっていると言えるのかもしれません。

ピラティス以外の腰痛対策は?

腰痛に効くツボ、クッションやマットなど様々な健康グッズもありますよね。また、マッサージなどに行かれる方も多いと思います。

腰痛仲間からこれ効いたよ、とおすすめされて試してみることもあるでしょう。

どんなグッズ、マッサージ、エクササイズでも一回で治るなんてことはありません(マッサージは軽度であれば痛みはひくかもしれませんが、根本原因に向き合わなければ、またすぐに腰痛がでてしまうこともあると思います)。

ですので、何が良いのか、また、そのグッズやマッサージが良かった悪かったの判断をいつどのようにすればいいのか、なかなか難しい部分もあると思います。

ここで筆者が大切だと思うのは、“自分がどう感じるか”です。

お友達には相性の良いマッサージ師が、私にも合うとは限りません。私には合うクッションが、お友達に合うとも限りません。1人1人骨格も筋力も違います。腰痛の原因も違います。使ってみて、受けてみて、なんだか違和感がある、違うな、と感じたら無理に続ける必要はありません。

とても上手なマッサージ師の方もいらっしゃるので、受けると気持ちよくてその時は腰痛が楽になることもありますよね。ですが筋力低下が原因の場合、マッサージやクッションなどのグッズだけで解消することは難しいでしょう。なぜなら根本的な筋力低下という原因への対処ができていないからです。

だからと言ってマッサージが無意味かというもそうではありません。筋肉が硬くなって緊張している場合、無理に動かしても使いたくない筋肉が働いてしまいます。そのためにはまずは緊張している筋肉をほぐしてあげることも大切なのです。

実は筆者も腰痛になりやすいタイプで、実際に鍼灸院によく行きます。もちろん針が苦手という人にはオススメしませんが・・・。

腰に違和感があるときに鍼灸院だけではなく、接骨院に行くこともあります。どちらにも行かずピラティスのピライベートレッスンに行くこともあります。

何をすることが今の身体の状態には有効なのかということをイメージして選んでいます。

何をするか、使うか、なのではなく、原因に対して何が必要かということを考えて、対策を練っていくと良いと思います。

ピラティスは肩こりや首ヘルニアも解消できるか?

肩こりにお悩みの方は頭が前に出ていたり、猫背であったり、巻き肩であったり、姿勢の悪さも治したいと思っている方もいます。

一見姿勢が悪くないと見える方も、実は胸骨まわりが硬くなっていたり、肩甲骨の安筋が弱く、肩があがりやすかったり・・・。またストレートネックなど、生まれ持った骨格によって肩こりになりやすい方もいますよね。

凝り固まっている筋肉をほぐして可動域を取り戻すようにエクササイズしていくことで、姿勢が良くなり肩こりの軽減へ繋がっていきます。

首のヘルニアは腰痛と同じく、ピラティスで治すことはできませんが、インナーマッスルを鍛えて理想的なアライメントを目指すことで負荷の軽減を期待することができます。詳しくはまた、別の記事で解説しますね!お楽しみに!

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